【映画レビュー】『レオン(LEON)』のあらすじ・見どころ・感想・裏話を徹底解説

映画

孤独な殺し屋と少女の出会いが生む、切なくも美しい絆。
アクションと純愛が交錯する名作『レオン』の魅力を徹底レビュー。

🎬作品概要

  • 公開年:1994年
  • 監督:リュック・ベッソン
    • 代表作:『ニキータ』(1990年)、『フィフス・エレメント』(1997年)、『グラン・ブルー』(1988年)
  • 脚本:リュック・ベッソン
  • 出演:ジャン・レノ、ナタリー・ポートマン、ゲイリー・オールドマン ほか
  • ジャンル:アクション、サスペンス、ヒューマンドラマ
  • 上映時間:110分(1時間50分)

📖あらすじ

ニューヨークの片隅で孤独に生きる凄腕の殺し屋「レオン(ジャン・レノ)」。彼は裏社会で冷徹に任務をこなす日々を送っていましたが、隣人の少女マチルダ(ナタリー・ポートマン)が家族を惨殺され、彼のもとに逃げ込んだことで運命が大きく変わっていきます。やがてマチルダは家族を奪った麻薬捜査官ノーマン・スタンスフィールド(ゲイリー・オールドマン)への復讐を誓い、レオンに殺しの技術を教えてほしいと懇願します。無垢な少女と孤独な殺し屋の奇妙な絆が芽生える中、二人はやがて避けられない闘いへと巻き込まれていくのです。

👤主要キャラクター分析

1. レオン(ジャン・レノ)

裏社会で孤独に生きるプロの殺し屋。感情を表に出さず冷徹に仕事をこなすが、実は植物を大切に育てる繊細な一面を持つ。マチルダとの出会いによって“心を持った人間”へと変化していく姿は、観客に孤独と愛の相反する感情を強烈に印象づける。

2. マチルダ(ナタリー・ポートマン)

家族を惨殺された12歳の少女。大人びた言動と無邪気さを併せ持ち、復讐心と愛情の間で揺れ動く。レオンにとっては守るべき存在であり、同時に生きる意味を与える存在でもある。彼女の成長と純粋さは、物語の核心を支える。

3. スタンスフィールド(ゲイリー・オールドマン)

麻薬にまみれた汚職捜査官。狂気的なまでの暴力性とカリスマ性を持ち、圧倒的な存在感で物語を支配する。彼の歪んだ正義感と予測不能な行動は、観客に恐怖と緊張を与え続ける。

4. トニー(ダニー・アイエロ)

レオンに仕事を斡旋するイタリア系マフィア。表向きは彼を庇護しているように見えるが、実際には都合の良い“使い捨ての駒”として扱っている。裏社会の冷酷さと不条理を体現するキャラクター。

⭐魅力と評価ポイント

1. 孤独な殺し屋と少女の絆

冷徹に生きてきた殺し屋レオンが、マチルダとの出会いを通じて“人間らしさ”を取り戻していく過程は、単なるアクション映画を超えて心に響く。孤独と愛が交差する物語は、観客に深い余韻を残す。

2. マチルダの存在感と成長

家族を失った少女が復讐と愛情の間で揺れ動く姿は、観客の共感を誘う。ナタリー・ポートマンが当時13歳で演じたマチルダは圧倒的な存在感を放ち、映画史に残る“伝説的デビュー”と評されている。

3. ゲイリー・オールドマンの怪演

狂気とカリスマ性を併せ持つ悪徳捜査官スタンスフィールドを演じたオールドマンは、予測不能な演技で圧倒。彼の怪演は、本作の緊張感を極限まで高める最大の要因となっている。

4. 映像美とスタイリッシュな演出

リュック・ベッソン監督ならではの映像美とリズミカルな演出が、銃撃戦から静かな日常描写までを鮮烈に描き出す。洗練されたアクションと詩的な映像表現が融合し、唯一無二の世界観を作り上げている。

5. 世界的評価とカルト的人気

公開当初から高い評価を受けた本作は、現在も世界中で語り継がれる傑作。アクション映画でありながらヒューマンドラマとしての深みを持ち、観客の心を強く掴み続けている。

🏆受賞歴

  • セザール賞(第20回・1995年)
    作品賞 ノミネート
    監督賞(リュック・ベッソン)ノミネート
    撮影賞(ティエリー・アルボガスト)ノミネート
  • アカデミー賞(第67回・1995年)
    主要部門でのノミネートはなし
  • ナタリー・ポートマンの評価
    当時13歳で挑んだマチルダ役が高く評価され、世界的にブレイクするきっかけとなった。
  • ゲイリー・オールドマンの怪演
    賞レースには絡まなかったものの、その狂気的演技は批評家・観客から圧倒的支持を集め、後年も「最も印象的な悪役」の一つとして語り継がれている。
  • その他
    各国の批評家協会や映画誌で高評価を受け、特にフランス国内ではベッソン監督作品の代表作として位置づけられている。

🎥撮影裏話&トリビア5選

1. ナタリー・ポートマンは2000人以上の中から選ばれた

当時11歳だったナタリー・ポートマンは、オーディションで2000人以上の候補者を抑えてマチルダ役を獲得。最初は年齢の低さから出演をためらったが、脚本の一部を修正することで出演が決まった。彼女の鮮烈なデビューは映画史に残るものとなった。

2. ゲイリー・オールドマンの即興演技

悪徳捜査官スタンスフィールドの名シーン「EVERYONE!」の絶叫は完全なアドリブ。あまりの迫力に現場のスタッフも圧倒され、映画史に残る狂気的演技として語り継がれている。

3. 植物は“レオンの分身”

レオンが大切に育てる観葉植物は、彼自身を象徴している。根を張らず鉢で生きる植物は、居場所を持たず漂う彼の姿と重なり、ラストでマチルダに託されることで“安住の地”を得る寓話的意味を持つ。

4. 脚本は『ニキータ』から着想

リュック・ベッソン監督は『ニキータ』に登場する殺し屋ヴィクターのキャラクターを膨らませる形で『レオン』を構想。スピンオフ的な発想から生まれた作品であり、ベッソンの作家性が色濃く反映されている。

5. 本国フランスよりアメリカで大ヒット

フランス国内では評価が分かれた一方で、アメリカでは熱狂的な支持を獲得。特に批評家から「アクションとヒューマンドラマの融合」として絶賛され、後にカルト的な人気を確立した。

✅最後に。

『レオン』は、アクション映画の枠を超えたヒューマンドラマであり、孤独な殺し屋と少女の絆を描いた傑作です。スタイリッシュな映像美と緊迫感あふれるアクション、そしてキャスト陣の圧倒的な演技が融合し、普遍的な愛と救済の物語として観客の心に深く刻まれます。公開から30年近く経った今なお語り継がれる、必見の名作です。

🧩・・・おまけ『レオン』クイズ(採点+解説つき)

5問に答えて「採点する」を押すと、得点と各問の解説が表示されます。

Q1. 『レオン』の監督は誰?




正解:リュック・ベッソン。映像美と人間ドラマを融合させた代表作です。

Q2. レオンが大切に育てているものは?




正解:観葉植物。居場所を持たないレオン自身を象徴しています。

Q3. マチルダを演じた女優は誰?





正解:ナタリー・ポートマン。当時13歳で鮮烈なデビューを果たしました。

Q4. スタンスフィールドが所属しているのは?




正解:麻薬取締局(DEA)。汚職まみれの捜査官として恐怖を与えます。

Q5. 『レオン』には劇場公開版と完全版が存在します。完全版で追加された要素は?




正解:レオンとマチルダの関係性を深掘りした場面。親密な描写が物議を醸しました。

クイズ挑戦お疲れさまでした!
『レオン』はもちろん、ほかにも多くの映画レビューや撮影裏話をまとめています。
ぜひ他の映画関連記事もチェックしてみてください。
[おすすめ映画レビュー一覧はこちら👉映画 | Variety Note]